怒鳴る人の背景にあるものは?

大雨の被害が各地で発生しているようで、毎年、梅雨の終わり頃になるとどうしても被害が出てしまいますね。

被害に遭われた方に心よりお見舞いを申し上げます。

 

さて、クライアントからあった質問に関連した内容で3回に分けて書いていきます。

近年、ストレス社会と言われて「キレる」とか、「誰でも良かった」というような理由で感情のコントロールが困難になって発生している出来事が多くみられるようになっています。さらに、コロナ禍でストレスを感じるようになる人が増えて、店員さんに八つ当たりして怒鳴る人も増えていていますね。

この時、八つ当たりする人、怒鳴る人は、八つ当たりしやすい人や怒鳴りやすい人を選んでいます。例えば、店員さんに怒鳴る場合には、普段から『お客様の方が立場が優位』というような意識を持っている人の可能性があります。そして、その店員さんのなかでもさらに『この人は優しそうだし、歯向ってこないだろう』というような感じで選択していたりもします。

 

以前、家庭内暴力と言われる状態で親が対応をすることが難しく感じられた子供を一時的に預かっている方とその施設の取材がなされていました。

その方は、過去に暴走族のリーダーをしていて、社会に迷惑をかけたので何か社会に役立つことが出来ないかという思いから活動を始めたそうです。

 

その方と一緒に暮らす青少年たちは、暴力を振るっている同じ青少年と思えないくらいにとても穏やかに暮らしていて、取材に対して、「ここでは、自分を受入れて貰えているのが分かるし、自分の話しをしっかりと聴いてくれてくれるから、暴れる必要がない。」と話していました。

子供たちが暴力をふるう原因の一つに、愛情の不足が言われています。

なぜなら、暴れることで注目を浴びる、見てもらえるという手段になっているからです。

ありのままを受け入れて、認めてもらえると暴れる必要が無いのです。

そして、話し合うことで意思の疎通を図ります。

ただし、愛を持って関わることと、甘やかすことは大きな違いがありますから注意が必要になります。

 

本来ならば、子供の質やその子が何を本当に必要としているのかを見出して、愛を持って関わることが必要なのですが、親の側からすると、愛もって関わっているつもりでも、一般的には、行動の表面的な部分にとらわれたり、マニュアル化された“このような時はこうしましょう”という、情報にとらわれて対処することで、子供に親の思いが伝わりにくくなってしまいます。

そうすると、満たされない感覚や自信を持てない状態になりやすくなります。

多くは、友達や周りの人との関わり、本人の経験からの学びなどで改善されていくことも多いのですが、成人してからの怒鳴る傾向の方たちは、成長過程に含めこれまでの経験により、自分を受入れることの難しさや自信のなさや喪失などの影響も受けて、結果的にストレスを感じやすくなったりもします。

その方たちの内側には、不安や恐れも抱えていることもあります。不安や恐れは、物質的な不足などによる生命が脅かされるというような、どのように生きぬくかということなどや、自分自身であることに対しての不安や恐れなどもあります。(何に対してかは個人によります。)

また、思いやりを受けた経験が少ないために、相手を思いやるという感覚が分からずに、コミュニケーションをとったり、行動していたりすることも多くあります。

 

最近では、アンガーマネジメントといって、怒りの感情をコントロールする術を身に付けることも行われるようになってきています。

イライラしたり、怒鳴ったりする方たちの多くは、自分でどのような時にそうなるかというパターンを認識できている方も多くいます。

そのような方は、自分自身で感情のコントロールをすることが出来るようになることも可能ですので、アンガーマネジメントのワークショップを受けるなどの方法もあります。

 

普段は、呼吸に意識を向けて、ゆっくりと呼吸をして、吐く息を吸う息の倍くらいの長さで吐くという呼吸法も有用です。

呼吸と感情の動きを扁桃体が司っているのですが、先の呼吸法で呼吸のスピードをゆっくりにしすることで脳の働きをゆっくりにすることができ、呼吸が深くなってくると感情が整ってきます。

イライラした瞬間にも呼吸に意識を向けて10数えながら呼吸を整えてみましょう。

 

次回は、怒鳴られる側(子どもの場合)の影響と対応についてお話しします。

ご覧くださりありがとうございます。